芦屋でエレガントにランチとワインを
【芦屋フレンチ 北じま】兵庫県芦屋市
芦屋にある小さなフランス料理店は、かつて神戸にあった名店、アランシャペルでスーシェフを務めた北島恭さんの店。北島さんの料理は、繊細で華やかで、ひと皿ごとにトキメキが生まれる。ソムリエでもあるマダムの温かい接客も安心だから、久しぶりに会う女友達とのランチに選んだ。二方向の窓から陽が差し込む店内は、ビルの奥まった場所にあるとは思えないような明るい空間だ。
前菜は、「生きオマール海老のサラダ仕立て、自家製コンソメジュレと丹波のお野菜」。見た目にも華やかで思わず笑顔になる。野菜は丹波篠山の完全有機野菜が中心で、魚も毎朝シェフが市場で選ぶ。自分の目で見定めた良い食材を使って、「その魅力を最大限に引き出すことを考える」というシェフは、器の上の素材すべてが主役だと考えている。だから、添えられたハーブやマイクロミニ野菜も、一つ一つが味を主張しているのだ。
ナイフを入れると、すっと切れる赤牛の上質な味わいにフォアグラの濃厚な旨みが合わさって、重めの赤ワインがとってもよく合う。
牛肉・フォアグラ・トリュフの組み合わせはフレンチの王道。だからこそ、素材の良さや味に、食べる方も厳しい目を向ける。「手間を惜しまず愛情を込めて料理する」ことを信条とするシェフの料理の原点はお母さん。料理が得意で、いつも家族のために手間をかけたものを作ってくれるそう。食べる人に対する思いやりがあるから、素材選びも、料理に手間をかけるのも、味に工夫を凝らすことも、シェフにとってすべてが当たり前なのだ。
ワインは、それだけで飲んでも料理と合わせても美味しいものがそろっている。グラスで頼むと「もう一杯違う味を」とおかわりしたくなるけど、ランチだから少し控え目に。そんな時はワイン用のぶどうで作ったジュースがおすすめ。もちろんノンアルコールだが、コニャック用のぶどうユニブランで作ったオーガニックのスパークリングは、風味も泡立ちもシャンパンのようで料理をより美味しくいただける。
ランチもディナーも、口の肥えた女友達とゆっくり食べて、飲んで、おしゃべりする。そんな時間が楽しめる店だ。
◆ MENU
【ランチ】
ランチコース 5,000円
シェフの拘りのお任せコース 11,000円
※税サ別(5%)
【ディナー】
シェフの拘りのお任せコース 11,000円
※税サ別(10%)
スパークリング葡萄ジュース 900円
グラスワイン 1,150円~
グラスワイン6種類ミニセットは 5,000円
◆ Data
芦屋フレンチ 北じま
電話:0797-26-7774 ※三日前までにコース要予約
住所:芦屋市東芦屋町2-14 エクセレント芦屋1F
営業:12:00~15:00(13:30LO)、18:00~21:30(19:30LO)
休み:月曜、第3火曜
◆ Writing / 松田きこ
(株)ウエストプラン代表。兵庫県西宮市在住。食・観光・人物取材に日本中を飛び回る。ライター歴20年以上。編著書「神戸・阪神間 美味しい酒場」「くるり西宮・芦屋・東灘・灘」「くるり丹波・篠山」他
http://www.west-plan.com/
◆ Photographer / 篠原耕平